吉田がキャラホビで企んでる

”今、自分がいちばん見たい番組みてキャラホビを目指す”というコンセプトのもとに吉田が話題のアニメに物申す!

放送まとめ

吉田がキャラホビで企んでる第34回「アニソンの歌詞畑とイケメンアニヲタ畑を独占してみました 」

投稿日:

1月放送開始アニメの情報が出てきてざわざわしてきた12月。「アニメって、放送がスタートするまで本当の情報がわからないんですよね」という吉田さん。だから放送開始後の情報戦が面白いんですとのこと。最近、当番組では見た目がいいオタクの方をお呼びしているのですが、今回のヲタモダチはこの方です。

阿久津
皆さんを阿久津色に染めるために2次元からSuicaで来ました。ただのオタクこと阿久津愼太郎です。俳優の中でアニメが好きという畑は僕が独占しています

――驚くべき挨拶にスタジオ内どよめく

吉田
えーと、(今のアイドルの子は)AKB48の影響でこんな挨拶をすることになってたりするの? え、2次元からSuicaで来れるの?? わーっ突っ込みどころ満載だ!!!

――よっぴー大混乱!!

吉田
とりあえず、シンプルにお聞きします。今までで一番好きなアニメはなんですか?

阿久津
嫁は戦場ヶ原ひたぎ先輩(※1)です

吉田
あれ? 今、いくつ?

阿久津
18歳です。結婚できます

吉田
そうだね、っていやいやいやいや、まず、戦場ヶ原さんが実在しないじゃないですか

阿久津
今まで好きになったキャラクターは誰も紹介しなかったのに、初めてお母さんに紹介したんです。お父さんは『自分の息子はサッカー少年に戻れる』と思っているので、その夢は壊したくないから教えてないんですが、お母さんは『かわいいね』って言っていました~

吉田
お母さんも息子の本質に気がついていない可能性もある…

阿久津
そうかもしれないですねー。番組見て、びっくりかも!

吉田
うん。僕も今、びっくりしてるもん

――そんな阿久津ワールドに押され気味の中、本日のゲストが登場です!

ゲストProfile
畑亜貴(はたあき)。シンガーソングライター。「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」のキャラクターソングなど数多くのアニメソングの作詞を手掛ける。また『月比古』『死蝋月比古』という音楽ユニットで活動中。年間の作詞数は数えていないとのこと。
阿久津愼太郎(あくつしんたろう)。若手俳優集団D-BOYSのメンバーでありながら、かなりガチなオタク。嫁は「‹物語›シリーズ」の戦場ヶ原ひたぎさん。ちなみにお母さんには紹介済み。

気がついたら詩を書いていた

阿久津
畑さんもこの畑を独占されている方じゃないですか。同じ農業従事者としてすごく応援しています

吉田
作詞も第1次産業だったのか!! このうまいこと言おうとする感がスゴイ

阿久津
アハハハ(爆笑)

吉田
アニメも言葉遊びが大事ですから、アニメと言葉の関わりについて今日は聞いてみようと思います

こんばんは。あなたの悪夢にお邪魔します。アニソン界の黒い天使、畑亜貴です

吉田
!?

なんか言わなきゃいけないのかなって…

吉田
え、自己紹介、今作ったんですか?

はい

吉田
さすが!

阿久津
さすがすぎる

なんかケンカ売られているのかなって…

阿久津
え、神ですよね?

吉田
神が勝手にハードルを察して、やってくださいました

阿久津
あはは(爆笑)

――本日のゲスト、畑亜貴さん。その名前を見ない日がないほど活躍されていますが、年間の仕事量についてお聞きすると…

数えてないんですよー。でも1日3曲まででやめたいと思っています

吉田
やめたいということは…?

そういう日もありますけど、なるべく1日1曲と考えています

吉田
1日1曲でも365曲できますよね

そうですね。あんまり現実を見たくないですけど

吉田
そうおっしゃっているからなのか、このタダのオタク部屋に夜のお店の人が来たような雰囲気になっております。そこに18歳の若者が来ちゃった感じです

うちの若い衆です

吉田
あ、そうなんだ。おしぼりとか持ってきちゃう感じですか

阿久津
はい

吉田
ちょっと待って、いつの間にそんな関係性が生まれたの!?

――ここで畑亜貴さんを紹介するVTRへ。畑亜貴さんとは何者かとお思いの方は、まずは「あずまんが大王」の「空耳ケーキ」(※2)から聞いてみましょう。その歌詞の独特の世界観と言語センスは唯一無二。というか、「空耳ケーキ」ってなんですか?

吉田
『あずまんが大王』で、この曲が流れたときの衝撃は忘れられません

――そして畑さんの代表曲といえば、「涼宮ハルヒの憂鬱」の「ハレ晴レユカイ」(※3)や、「らき☆すた」の「もってけ!セーラー服」(※4)。

吉田
『ハルヒ』も7年前なんですね。あれ? 阿久津くん、この時いくつ?

阿久津
11歳なんで、この曲はカラオケで知りました

なんか子どもを騙している気分になってきました

――そして「ラブライブ!」の「僕らは今のなかで」(※5)。この作品では“女子高生が作詞した”正統派アイドルソングをコンセプトとして関連する全楽曲の作詞を担当し、大人気スクールアイドルプロジェクトの一翼を担っています。

吉田
明らかに言語センスが他の方とは違うと思うんですけど

そうですかね?

吉田
子どものころから何かの言葉を見ると、自分ならこうするのにとか思ったりしていたんですか?

子どものころから詩は勝手に書いていましたね

吉田
え、詩って勝手に書くものなんですか?

え、言われてするものなんですか?

吉田
学校の授業で習うとか、バンドを組んで作詞をしないといけなくなって初めて書いてみたとか…

幼稚園ぐらいのころから、詩とか曲とかは書いていて、小学校のころには『私の詩集』というタイトルで画用紙に詩を書いて自由研究として提出していましたね

吉田
ナチュラルボーン作詞家だったんですね

でもそれがこないだ発見されて、死にたい気持ちになりました

吉田
昔に書いたものを見ると、やっぱりそんな気分になるんですか

阿久津
僕も恥ずかしいです

あ、詩を書くんだ

阿久津
はい

吉田
いろいろ聞いてあげてください。一番好きな雑誌は別マ(別冊マーガレット)らしいですよ

じゃぁ、ちょっとオトメな詩を書いたりするんだ

阿久津
…はい

今日はちょっと雲が届きそう…みたいな?

阿久津
いや、もっと具体的な高校生の悩みを書いています

性の悩みとか?

阿久津
ノートを作って書いてて

吉田
え、性の悩みの?

阿久津
違いますよ(笑)

もー、噴くかと思ったじゃないですか

阿久津
まだ放送してないんですけど、ドラマで詩を言うことがあったので、自分の詩を結構使いました。ドラマにはレモンが出てきたり…

レモン…?

吉田
なんか、話せば話すほど距離が近づいてきた気がする

阿久津
え、ホントですか!? 僕、大衆性がないことをすごく怒られるんですけど

吉田
大衆性!? イケメンとして人前に出るお仕事をするのも大変なんだね

阿久津
そうなんですよ。イケメンとして期待されて出て行くと、明らかに違うわけじゃないですか。3人並んで出ても、左のヤツどうしたってなるんですよ

吉田
この番組は、もっとも正しく阿久津くんを使える番組ってことか

阿久津
そうなんですよ!!

面白いねー(爆笑)

阿久津
畑さんのことをスゴイと思うのは、一見大衆性がないように見えて、みんなに愛されているというところなんですよね

吉田
言葉って人が聞いてわかるようにするのが本来だと思うんですけど、畑さんはすぐにわかるようには書いていない。はじめからこのような作風だったんですか?

子供の頃はもろわかりでしたよ。『雨粒小僧が落ちてきた』みたいな

吉田
本当に!?

でも、わかりやすいと楽しさが1回しかないじゃないですか。ふわっと膨らんだスカートのように何枚もめくっていくほうが面白いんじゃないかって思うようになったんです

吉田
スカートの枚数がわかっているんじゃなくて、もしかしたら…

中は履いてないかも…みたいな感じがいいかなと思っています

吉田
そこまでして初めて詩は面白いと思っていると

そうですね。それが今やりたいことです

吉田
その『雨粒小僧が落ちてきた』なところから…、すみません、なんか恥ずかしいですよね、自分の初期作品のころのことを言われるのって

辱めを受けている感じですね

阿久津
言葉攻めですね

吉田
なんでそこだけ繰り返すの? 本当にいい病気の病み方をしていると思う(爆笑)

阿久津
えー(笑)。話、なんでしたっけ?

吉田
えーと、わかりやすい詩のところから、今のスカートのような詩に至るまでって、かなり幅が広いと思うんですが、どんなきっかけがあったんですか?

うーん、成人したからですね。20歳過ぎたころに、そのときの詩集を見て『なんかまずくないか?』と思ったんです。自分の日常とか思ったことしか書いてないんじゃないかって。それって日記みたいなもので、作品じゃないなと思ったんです

吉田
どこかで作家になりたいと思ったんですか?

20歳ぐらいのときですね

吉田
それまではやめられない趣味としてやっていたわけですよね

そうですね。まともな職業には就けそうにないなと思って

吉田
ちょっと待って。人生諦めるのが早いですよ!

あはは(笑)。自動車の免許を取って身元を証明できるものを持って世の中に出ようと決心しまして、親に『成人式の着物はいらないから自動車学校に通うお金をください』と頼みました。運転したいわけじゃないですけど、日本では一番便利な身分証明書ですから

吉田
えーと、人生を考えるときに素体の部分まで考えすぎじゃないですかね(笑)。生きていくのにまず何が必要かと考えたときに思いついたのが運転免許証だった?

そうですね

吉田
その次に必要なものが作詞の仕事だったんですか?

作詞と作曲は生活の一部なので自分では作家だと思っていたんですけど、ゲームが大好きだったので、そのころはゲームの仕事がしたいなという気持ちも混在していたんですね。仕事をしなきゃと思ったときに、音楽雑誌を見ていたらたまたまゲーム会社が募集をしていたんですね。『これだ!』って思ってすぐに応募しました。そのときは作曲の採用でしたね

吉田
作詞に関してはまだ?

そうですね。このころは自分用の曲しか作っていませんでした

吉田
それが人から頼まれて始めたのはいつからなんですか?

ゲームの主題歌を作らないかと言われて、仮歌を頼む人がいなかったので、自分で歌詞と歌をやったんですね。そうしたらそれが採用されまして。そんなつもりじゃなかったんだけど…と思っていたら、その後も頼まれまして。『作家になりたかったはずなのに、歌を歌っているぞ』と思いましたね

吉田
ちなみにそのゲームタイトルは?

『エターナルメロディ』(※6)です

吉田
そこから始めて、いろんな人に頼まれるようになって現在に至ると…

流されてここにいます

吉田
デビューするために何かしたりということはなく? ちなみに阿久津くんは?

阿久津
僕は、D-BOYSのオーディションに『俳優王になる!!』って、自分で応募しました。それでグランプリを取っちゃったんです。これ、本当に事故だと思いますよ! キャラはこんなんで栃木弁で訛っていたので審査員の方からも面白いって言われていて、3位の審査員特別賞かなと思っていたんですね。そこで呼ばれなくて『なんだ見る目ないな』と思っていたら、グランプリで呼ばれて『ファッΣ(゚Д゚)』ってなりました

吉田
そこではオタクの人ということは隠していたの?

阿久津
全部隠しました。すごい日焼けしてテニス部ですって言ったんですよ。髪型も青少年ヘアーにして

吉田
青少年ヘアーってどんなんだよ!(笑)

阿久津
すごく普通の男子高校生の髪型です。でも、グランプリを取った後の記者会見で若干バレてしまって…。事務所の方と初めてお会いしたときに『おめでとう』よりも前に『キミ、変わっているね』って言われました

吉田
あ、デビューが決まったときからずっと『大衆性を持て』って言われてるんだ

阿久津
成長していません。でも大人になりたくないからいいかなって

いいね、大人になりたくない!

吉田
D-BOYSオーディションのグランプリって、俳優を目指している男の子が一番取りたいグランプリじゃない? それを取った後に『大人になりたくない』って(笑)。確かにものすごく事故の匂いがするね

阿久津
この年のオーディションのコンセプトが『城田優の弟分を探せ』という内容だったはずなのに、事務所からそれを名乗るなと言われました

吉田
あはは(笑)。阿久津くんはそこが人生の岐路だったわけじゃない。畑さんにはそれはなかったんですか?

たぶん『空耳ケーキ』ですよね

吉田
畑さんには師匠のような方はいないんですか?

いないんですけど、あえて言うなら阿久悠先生ですね。ピンクレディーが好きなので

吉田
なるほど!

アイドルの中でもあんまりいないタイプだったんですよ。現実じゃない世界の詩を書くのに憧れていました

吉田
確かに、阿久悠さんの歌詞は『わかる』『わからない』だと、わかりゃしないですよね

阿久悠先生の歌詞は2次元の世界なのかなと思うんです

吉田
確かに。『地球の男に飽きたところよ』って言われても、現実だったらなんだそりゃってなりますが、2次元ならわかる。僕らの感性の根本には阿久悠の歌詞の世界がある可能性がある…

阿久悠先生にはお会いしたことないんですけど、個人的に大好きで、自分の目指すべきところだと思っています。先生は、歌詞はブログではなくて映画のように書くとおっしゃっていて、私も映画の世界のような歌詞を書きたいと思いました。いつかお会いしたいと思っていたんですけど、もう叶わなくなってしまいましたね

【編集注】
※1 「‹物語›シリーズ」のヒロインの1人。人との距離感の掴み方がわからずツンツンしているが、仲良くなると途端にデレる、ツンデレの美少女。主人公の阿良々木暦の彼女の座にいるが、暦が他の女の名前を出しただけで攻撃的になる嫉妬深いところがある。
※2 あずまきよひこ原作の「あずまんが大王」の主題歌。伊藤真澄と上野洋子の音楽ユニット「Orange&Lemon」による楽曲。
※3 「涼宮ハルヒの憂鬱」の主題歌。第16回参照。
※4 「らき☆すた」の主題歌。第16回参照。
※5 「ラブライブ!」の主題歌。「ラブライブ!」は、東京にある女子高校「音ノ木坂学院」に通う9人の女の子たちが、廃校の危機にある学校を救うべく、スクールアイドルユニット・μ’s(ミューズ)として活動するというストーリー。歌はμ’s(ミューズ)の声優が実際に歌っており、声優ユニットとしても活動している。
※6 SEGAより1996年に発売された育成・恋愛シミュレーションゲーム。プレイステーション版とセガサターン版があり、畑さんが作詞と歌を担当した「水中飛行」と「どうしよ?」が使われているのはセガサターン版。

「空耳ケーキ」を徹底解説!

吉田
『あずまんが大王』は日常系の元祖のようなアニメなわけですけど、その主題歌なので、『わー、遅刻しちゃったー』みたいな歌詞が来るのかと思いきや。初めて聞いたときは意味がわからないと思うんです。でもなぜかすごくピッタリだったんですよね。この歌詞には、畑さんの理論があるわけですよね?

はい、あります。『空耳ケーキ』という概念が、まず頭のなかに映像としてあったんですよ

吉田
『あずまんが大王』の原作を読んで、そのイメージが浮かんだんですか?

そうですね。『flying cake』みたいな感じかな…。『羽ばたきクッキー』とか。そんなイメージです

吉田
そのイメージはわかります。ふわふわした空気感がありますよね

日常を描いた作品なんですけど、そこに少女のドロドロした感情はいらないかなと思ったんです。それで空に何かを飛ばしたくなったんですね。それぐらい魅力的でかわいくって楽しいもので、でも、うれしいとか楽しいとかハッピーというものは飛ばしたくなかったんですね

吉田
ハッピーだから空を飛ぶはわかるんですけど、そのわかりやすさじゃなくて、問答無用で空を飛ぶ?

そのシュールな世界を見て、かわいいとか楽しいとか思うのは見る人の自由なんですけど、かわいいでしょ?って押し付けるのは違うかなって思ったんです

吉田
『あずまんが大王』という作品はそういう作品ですしね

歌と作曲の伊藤真澄さんが、否定的な言葉は絶対に歌いたくないという信念の持ち主なので、『涙は心の武器になる』みたいな言葉も出てきません

吉田
今、2つルールが出てきました。自分のビジョンと、ネガティブワードは使わない

一番大事だなと思ったのが最初の部分で、ここの仮歌がとても楽しそうだったので、この歌のリズムは日本語を想定していないんじゃないかなと思ったんです

吉田
日本語っぽくないリズムだった

そうですね。うれしくって楽しくって思わず口ずさんだ鼻歌は、もう『らんらら~』でいいかなって

吉田
メロディーを聞いて、ここに入るのは『Lu』とか『La』だと思われた。僕は、この歌の世界観は『はひふへほ』の世界かなと思うんですが?

『はひふへほ』は開放の音なので、最初から『はひふへほ』じゃだめなんですよ

吉田
まず抑圧があって、開放がある?

そうなんです

吉田
歌詞の書き方なんですが、頭からスーッと作っていったんですか?

頭からですね。でも11回書きなおしました

吉田
かなり議論が尽くされているんですか?

真澄さんが歌いたいか歌いたくないかのチェックがあったんです。最初はもうちょっとエグいというかアグレッシブというか、抽象的な言葉が入っていたんですよ

吉田
畑さんのご自分の音楽ユニットは、どちらかというとそっち系ですよね。物騒な言葉も出てくる

最初はもうちょっとそっちに寄った詩だったのが、段々物騒な言葉も取れて、この形になりました。『空耳ケーキ』という世界観だけは譲りたくなかったので、その他のところで、歌いやすい言葉に譲っていくというのは自分の中では問題なかったですね。どう『空耳ケーキ』という言葉を活かしていけばいいのかなと思って、11稿まで行きましたね

吉田
素人には『空耳ケーキ』という言葉を歌詞の中に入れ込むことはできないと思うんです。でも畑さんはなんかしらの理論があって、この言葉を活かしているわけですよね。この言葉がここに存在するための構造が見えているんですか?

見えているんですけど、その理論を言語化できないんです…。うーん、なんでわかんないの?って思ってしまいます

吉田
うーんうーん、よし、次のVTRに行きましょう。畑さんのことをよく知っている人が、畑さんを丸裸にしてくれます。これを見ればわかるかも!

――そうしてVTRに登場したのは、UNISON SQUARE GARDENのベース、田淵智也さん。数多くのアニソンを手がけ、畑さんとは親密な関係の方なのです。

田淵「畑さんとは飲み友達で、何度かぶち上がらせていただいたことがあります。畑さんの歌詞は、そんな歌詞の書き方があったんだという感じで、思わぬところから単語が飛んでくるというか、思わぬ単語の組み合わせとか、思わぬ熟語の崩し方とかあったりするんですね。だけど、時々すごくシンプルな言葉で、思いもよらない刃が飛んでくるんです。知っている言葉なのに、その使い方はなかったなというのがすごくあります。ここ10年ぐらいで、スキトキメキトキス…みたいにちょっと面白く言おうとか、ちょっとおかしな感じとか、そういう作詞スタイルが流行ってきていると思うんですが、歌詞の本質は面白おかしく言うことじゃなくて、音とどれだけ親和性があるかだと思うんです。メロディーと融合した時にどんなミラクルが生まれるのかがすごく大事で、言葉だけ、文章だけで存在しているのではなくて、音に乗って、音と一緒になった時にすごく意味が生まれる。意味不明なことを言ったもん勝ちっていうことじゃなくて、必ずそこに意味が生まれることを知っていてやっていると思うんです。『空耳ケーキ』を聞いたときに、まさに『なんじゃこりゃ』って思ったんですよね。それまでも“わけわかんない路線”ってあったはずなんですけど、『空耳ケーキ』は、どこか理論めいたところがあって、聴き終わったあとに『あずまんが大王』に必要な言葉ってまだありましたねって発見できたというか、すごく面白かったです」

アーティストとしての田淵くん、かっこいいね。飲んでいるときと違う

吉田
だって飲んでいるときアニメの話しかしないじゃないですか。理論立てて解説してくれるのかと思ったら、ファントークでしたね

アニメの歌詞って制限が多いんですよ。作品の雰囲気とか原作者の方の思いがあるので、ワードの選び方にも制限があります。私、NGワードを聞いて作詞するほうが好きなんですよ。それが20も30もあったら困っちゃいますけど

吉田
仕事は『こうじゃない』というのを先に言ってもらって、自分のビジョンに向かってやっていく感じですか?

そのほうがやりやすいですね

吉田
僕も言葉を使う職業の人間なんですが、よく思うのが言葉って画材みたいだなってことなんです。この絵を描くときはこの絵の具が最適というのと同じように、この状況を表現するにはこの言葉が最適というのを、ズラしてみたり。例えば、子どもが2人でしゃべっている状況なら、『子どもが楽しそうに話している』と表現するのが普通ですけど、僕は『これは会談だ』と言いたい。この方が面白味があると思うんです

阿久津
僕、不思議に思っていることがあって、今は、畑さんの世界観って出来上がっていると思うんですが、『空耳ケーキ』のときは発注側もまだわかっていなかったと思うんです。この歌詞を見た発注側の人たちはどんな反応だったんですか?

(発注側から)求められているものと自分の作風がぴったり合ったから、この瞬間が自分にとって大事で転機だったのかなって感じます

吉田
この曲が世の中に出たあとに、お仕事が増えたんですか?

そうですね。それまでは作詞だけの仕事はほとんどなかったんですけど、この後から作詞だけのコンペの話も来るようになって、このコンペを勝ち抜けば、もしかしたら私、作詞家として生きていけるかもと思ったんですよ

畑亜貴の世界はどこに向かっているの?

――今、放送中のアニメにも畑さんが作詞した曲がたくさん使われています。さらにご自分でも音楽活動をされています。アニソン以外でも独創的な世界を作り出している畑さん。いったいどこに向かっているの?

吉田
向かっているわけじゃないですよね。流されているから、どこにたどり着いちゃうんだろうと…

私、船の免許も持っているけどわからないです

吉田
船の免許!?

今年取ったんですよ。私、宇宙戦艦ヤマトが好きだから、戦艦に乗って宇宙に行くには船の免許が必要かなって…

吉田
あ、段階を踏んでいかないといけないですからね

運転したいし、エメラルダスになりたいから、まずは準備しておかないと

吉田
なるほど…。そうそう、せっかく生放送なのでアンケートもやりたいんですが、今日の問題は、阿久津くんが考えてくれました

阿久津
僕がみんなに聞きたいのは、畑さんの曲で何が好きかなんですが、自分が好きな曲を4曲選びました。『七つの海よりキミの海(※7)』『God knows…(※8)』『もってけ!セーラーふく(※9)』『太陽曰く燃えよカオス(※9)』です

全部MONACA(※10)ですね

吉田
僕は、『もってけ!セーラーふく』の日本語分解感はスゴイと思いました。日本語の使い方にびっくりしましたね

阿久津
僕は、すみぺ(上坂すみれ)さんの世界観が好きで、一緒にトークイベントもやったんですよ。なので、『七つの海よりキミの海』が一番好きです。彼女の世界観と歌詞の相乗効果がスゴイなと思いました

――結果はこちら

吉田
すごいバラバラだ!

阿久津
でも『七つの海よりキミの海』が一番だ。意外!

この4曲だとカラオケの印税が一番多いのは『God knows…』ですね

――ここでチャイムが鳴り、石川Dが登場です。

吉田
もー終わりか―!!今日、気になる言葉多かったかなーと思うんですけど

石川D「そうですね、僕が気になったのは、『師匠は阿久悠』というところですね。阿久悠さんもとても多作な方でしたけど、そこは畑さんに通じるのかなと思います
吉田
今日は明らかに話が終わっていない感があるので、この続きは必ずどこかでやりたいと思います。あと、阿久津くんの回は別にやりたい!

【編集注】
※7 「波打際のむろみさん」の主題歌。「波打際のむろみさん」は、博多弁の人魚・むろみさんと、むろみさんを釣り上げてしまった少年・向島拓朗の奇妙な日々を描いた作品。主題歌は、むろみさんの友達・隅田さん役の上坂すみれが歌っている。作曲は神前暁。
※8 「涼宮ハルヒの憂鬱」の劇中曲。第16回参照。
※9 「這いよれ!ニャル子さん」の主題歌。「這いよれ!ニャル子さん」は、普通の高校生八坂真尋と、クトゥルー神話に登場する邪神ニャルラトホテプを名乗る宇宙人・ニャル子さんの事件だらけのはちゃめちゃな日々を描いた作品。主題歌はニャル子役の阿澄佳奈、クー子役の松来未祐、暮井珠緒役の大坪由佳が歌っている。作曲は田中秀和。
※10 アニメやゲームなどの音楽制作を行うクリエイター集団。神前暁、田中秀和などが所属している

放送で流れたのはここまで。
実はこの後、まだあったのです!!
本日はよっぴーの誕生日。スタッフから写真デコレーションのケーキがプレゼントされました!

スタジオ内は火気厳禁なので、エアーろうそく吹き。
そして、畑さんと阿久津くんが「ハッピーバースデー」を歌ってくれました。

なぜか土下座する吉田さん。

吉田
38歳になりました!ありがとうございました!!

今日の一筆

流されてここまできちゃいました。専業主婦になりたいです

吉田
婚活!?

もー全然話し足らなかったです。作品の内容についても、切り口がとても楽しくて、もっと深く話したかったです。『七つの海よりキミの海』はすみれちゃんのキャラクターにも合わせつつ、アニメの主題歌にも合わせつつというところで、バランスを取って作った作品ですね。いろいろな制限がありましたが、面白く書けたなと思いました。作詞では、聞いてくださる方の期待を上回るようにと心がけていますね。びっくりさせたいと思っています。今期もたくさん歌詞を書きましたので、楽しんで聞いてください。阿久津くんのキャラソンを作るときは私がプロデュースしますね

阿久津
俳優の中だとこんなに深い話ができないので、とても楽しかったです。あと、作詞家の方とお話しするのが初めてで、いろいろ考えて作られているのも感じられたし、しゃべっているときも世界観があるところが面白かったです。僕、普段しゃべっているときは何を言っているのかわからないことがあって、それを直せって言われるんですけど、それを自分の世界観にしたいと思いました。阿久津回を作ってください(笑)

一番最初の発言で全て語っちゃった感じですよね。でもそのあとのディティールもすごく面白くて、今日はどうなっちゃうんだろうと思いました。スカートの話は、あれで全部なんですよね。あの話はプロデュースしたり書いたりする側の話だけじゃなくて、受け取る側の仕事でもあると思います。アニメファンって解釈することがとてもうまい。畑さんのような才能をアニメ界が育てているということは、本当にスゴイ。アニメ界ってスゴイ。クールジャパンでコンテンツだけを海外に持って行こうとしているけど、コンテンツだけでは現地には根付かないと思うんです。アニメファンの土みたいなものを持っていかないといけない。改めてそう思いました。あと、阿久津くんがめっちゃくちゃで、とうとうこういうアイドルが生まれる土壌までできてしまったかと思いました。僕と阿久津くん20歳も違うんで、衝撃的でしたね。将来がとても楽しみです。

-放送まとめ
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