吉田がキャラホビで企んでる

”今、自分がいちばん見たい番組みてキャラホビを目指す”というコンセプトのもとに吉田が話題のアニメに物申す!

放送まとめ

吉田がアニメで企んでる第16回「耳に残る音楽を意識しています」

投稿日:2016年7月30日 更新日:

「斎藤千和さんご結婚おめでとうございます」というおめでたい情報でスタートした今回の放送。斎藤千和さんといえば、キャラホビでも出展した「化物語」(※1)でヒロインを演じている声優さん。ということで、本日は「化物語」特集です! お呼びしたのは〈物語〉シリーズの劇伴を担当している作曲家の神前暁さん。あの独特の世界観を持つ〈物語〉シリーズを彩る名曲の数々はどのように生まれているのか。じっくり耳で楽しみたいです。

ゲストProfile

 
神前暁(こうさきさとる)作曲家。ナムコ(現バンダイナムコゲームズ)で、「THE IDOLM@STER」の楽曲を手がけフリーに。「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」の劇中歌、「化物語」シリーズの劇伴などを手がける。

吉田さんと神前さんは似たもの同士

メニューを見るなり、ビールを頼む神前さん
――今日はスタジオにキーボードを持ち込んでもらっての放送です。作曲家のいいところをたくさん聞いていきます。

吉田
神前さん、イケメンですよね

神前
メイクで雰囲気イケメンにしてもらったんですよ

吉田
でも、一部ではニーズがありそうな感じですよね。理系のガリガリ

神前
そうですかねー…。まぁ、理系で工学部ですし…

吉田
理系なんですか! 今日はそういうお話を聞いていきます!

神前
目の前にキーボードがあると緊張しますね。作曲家っぽいことを求められているみたいで

吉田
飲み屋のノリで話す番組なんで、作曲家っぽいところがでなくて大丈夫ですよ

神前
ははは、じゃぁ、ビールお願いします!

――今日のムービーは神前暁名曲集からスタート。まずは神前さんの代表作品でもあるゲーム「THE IDOLM@STER」(※2)の人気曲を紹介します。

神前
『GO MY WAY』がナムコで作った最後の曲なんですよね。このあとフリーになって、アニメで一番最初の作品が『涼宮ハルヒの憂鬱』の『 God knows…』(※3)ですね

吉田
いきなりハルヒなんですか! すごい作品にいきなり関わってるんですね。この曲はオリコン週間シングルランキング5位になったそうですよ

神前
そうなんですか

吉田
あんまり実感ないんですか? 『らき☆すた』の『もってけ!セーラー服ふく』(※4)は2位ですけど

神前
ないですね…。もう6年前ですけど、あんまり売れてる実感ってないんですよ。なんか、ネットで自分の名前をいっぱい見るようになったなというぐらいの感覚です

吉田
すごく耳に残る曲があって、調べていくと神前暁にたどり着いたというパターンが多いんじゃないですかね。僕は、『もってけ!セーラー服ふく』のあたりでお名前を知ったんですけど、調べていくと『God knows…』もそうなんだってなっていったんですよ。僕は音楽の仕組みはよくわかってないんですけど、なんか、モーツァルトみたいな音楽だなって思ったんですよ

神前
モーツァルト…?

吉田
ほら、モーツァルトって素人でもわかる、ちょっと子供っぽい音楽じゃないですか。神前さんの音楽もちょっと子供っぽいところがあってわかりやすい。そこがいいところなんじゃないかなと思うんですけど

神前
上げ過ぎじゃないですか?(笑)でも、歌ものの場合は、メロディーを気をつけて作っていますね。メロディーだけでも成立するようにしています。劇伴のときは、画面との距離感を気をつけていますね。映像より前に出るのか、後ろに引っ込むのか、そういうことを意識してます

吉田
映像より前に出る?

神前
そうですね。例えば『らき☆すた』の『幸せを願う彼方から』は、曲がメインになるシーンなので、映像と戦うぐらいはメロディーを強めに作って、画面を盛りあげるようにしています

吉田
神前さんは職業作曲家だから、発注があって曲を書いているわけですよね

神前
基本的にそうですね

吉田
自己表現として曲を書くことはないんですか?

神前
学生のころはそうでしたけど、プロになってからはないですね。子どものころはピアノをやっていましたけど好きではなくて。中学と高校のころはブラバンでトランペットを吹いていたんですけど、それも卒業とともにヤメテしまって。大学で作曲サークルがあったんで、ちょっと変わったことがやりたくて入部したんですよ

吉田
バンドサークルではなく?

神前
コピー禁止の軽音部みたいな感じです。打ち込みもバンドもいろいろいましたけど、全部オリジナルでやっていました。デモテープを作って、一般にも販売していました。でも基本は内輪で盛り上がっている感じで、マニアックな方向になりがちだったんですよね。僕は女の子にモテたいという不純な動機もあったんですけど、一般の女の子にはモテなかったですね(笑)。やってて面白かったのは、京都の横断歩道は『通りゃんせ』がかかるんですけど、それに合わせて即興で演奏するとかもやりました。背中に車のバッテリーを背負って、そこから電源を取って…

吉田
なんですかそれ! すごく出会いたいですよ

神前
僕は…ちょっとお近づきにはなりたくないです。あとは…、当時、僕は『SOLID BRASS』のファンだったんですけど、このバンドのファンバンドで『LIQUID BRASS』というのがあって、それに負けないバンドを作ろうというので、『NAKED BRASS』というのを作ったんですね

吉田
あ、なんかオチがわかっちゃったんですけど

神前
ネクタイ一本締めて

吉田
正装ですね

神前
京大の学園祭で発表するのに一般のお客さんもいらっしゃるから、一応大事なところはティッシュケースで隠してステージに立ったんですよ。で、演奏しながらティッシュをひろって

吉田
それは…、ちょっと見たい(悶絶)

神前
ギターの子は、ネックにサンマを下げて、客席に向かってサンマを投げたりしていましたね。そのサンマが投げ返されて頭に直撃とか

吉田
それを聞いていると、神前さん、常識人っぽいんですけど、実はアグレッシブなんですか?

神前
いや、常識人ですよ?

吉田
僕は落研だったんですけど、裸ネクタイはよくやっていたんで、その方向性はわかります

神前
あ、仲間ですね。ナカーマ。ヽ(*´∇`)人(´∇`*)ノ

吉田
神前さんはアニメとかは見ていたんですか?

神前
ちょうどエヴァンゲリオンが大学に入ったころで、コンセントがついてるロボットって面白い! ってハマっちゃったんですよね。でもそんなにどっぷりじゃないですよ。中学のときに『トップをねらえ!』を見て、高校のときに『ナディア』を見て、大学で『エヴァ』ですし

吉田
同じ世代ですもんね。ダイコンフィルム(※5)とか聞くとぐっとしちゃう世代ですね

神前
ドキドキしちゃいますね~!!

吉田
僕は関東のオタクなので、大坂芸大から繋がる関西のオタクの人たちの歴史を知らないんですけど、『愛國戦隊大日本』がすごいとか、そういうウワサは聞いてました

神前
そうですね。僕はそれのパロディで「怨念戦隊ルサンチマン」(※6)というのを作っていました

吉田
ということは、山本寛さん(※7)とは、一緒にいたんですか?

神前
彼はアニメ研究同好会に所属していましたけど、作品を作るときに呼ばれたんですよ。彼とは高校の頃からの同級生なんです。このときは劇伴と出演をやりました

吉田
へー。それで、作品が話題になって大学を卒業しますよね。すぐには作曲家にはならなかったんですか?

神前
このときはすぐにはムリだろうなと思って、音楽関係で就職したくて、レコード会社とか、ゲーム会社とかを受けて、拾ってくれたのがナムコ(現バンダイナムコゲームズ)だったんですよ

【編集注】
※1 西尾維新の小説が原作のアニメシリーズ。主人公の阿良々木暦が、怪異現象によって特異体質となってしまった少女たちと、怪異現象にまつわる事件を解決していくファンタジーアニメ。西尾維新の独特なセリフ回しと、張り巡らされた伏線が魅力。斎藤千和は、ヒロインの1人、戦場ヶ原ひたぎを演じる。

※2 ナムコ(現在のバンダイナムコゲームズ)のPS2用ゲーム。プレイヤーは音楽プロデューサーとなり、ヒロインの女の子をアイドルに育てていく育成型シュミレーションゲーム。ゲーム内には女の子たちが歌う数多くの楽曲が使用されている。

※3 谷川流の小説が原作のアニメシリーズ。普通であることに退屈し、無自覚に世界を改変してしまう能力を得た女子高校生・涼宮ハルヒとその仲間たちが送る、ドタバタ学園コメディー。第26話(2006年放送時12話)の学園祭のステージで、ハルヒが演奏した曲が「God knows…」。

※4 美水かがみの4コママンガが原作のアニメ。オタクの女子高校生の日常をゆるーく描く。「もってけ!セーラーふく」はOP曲として使用されており、キャッチーなメロディーラインと、女子高校生のダメな日常を歌った歌詞が見事にマッチした名曲。

※5 アニメ制作会社ガイナックスの母体となった自主映画の制作集団。庵野秀明、岡田斗司夫などがメンバーに名を連ねている。「愛國戦隊大日本」は、赤井孝美監督、庵野秀明特撮で作られた特撮作品で、アマチュア制作のレベルをはるかに超えた作品。

※6 『愛國戦隊大日本』の影響を受け、山本寛が企画、監督をした特撮作品。

※7 アニメ演出家。アニメファンからはヤマカンの愛称で呼ばれている。京都大学時代にアニメーション研究同好会に所属し、庵野秀明を師と仰いでいることは有名。代表作は「フラクタル」「かんなぎ」など。

よくわからないけどすごい神前暁の作曲理論

吉田
今、気が付いたんですけど、神前さん、誰にも教えを受けてないんですね

神前
そうですねー…。今から音大に行ってみたいですよ。もしかしたら「のだめ」(※8)みたいなステキな学生生活があるかもしれないし

吉田
わかりますよ! 30代になって高校の入試とかもう一度受けたいですもん

神前
高校でいいんですか? 僕は中学からやり直したいですよー(笑)。音楽は、誰にも習っていないですけど、大学のサークルがオリジナルのみだったので、やりたい曲があっても同じものはできないから、それに似せた曲を作ったりして、作曲のことを覚えていきました

吉田
え、それは僕にとっては新しい発想です。でもパロディでもオリジナルには違いないから…

神前
演奏できるんです。あとは、本を読んだり、あとは耳で聴いて、気持ち悪くないかとかそういう直感で作曲していますね

吉田
それってすごいことなんじゃないですか? ということで、神前さんのスゴさを番組が聞いてきました

――現在、神前さんが所属している作曲家集団「MONACA」にインタビューを試みた番組スタッフ。応じてくださったのは、神前さん曰く「雰囲気イケメン」の田中秀和さん。

吉田
田中さんがいろいろ考察をしてくれるんですけど、田中さんが作った曲は同じ音を繰り返してキャッチーさを出しているけど、神前さんのメロディーは、いろいろな音を使って長いフレーズでキャッチーさを作っている。歌メロのうまさはずば抜けている。神前さんの音楽の作り方はよくわかりませんとのことです

神前
長いフレーズが好きなんです。それは好みの問題ですね

吉田
意識的なポリシーはあるんですか?

神前
うーん…。メロディーがキャッチーで万人に受け入れられて、耳に残るというのは意識していますね。最近、マイブームで、コードをこだわったものも作っているんですけど、基本的には単純な作りにしています

吉田
なんとなく、神前さんの作曲のルーツが見えてきたんですが、大学時代に散々マニアックなことをやっていて、それを極めた結果、反動で万人受けに進んできたんじゃないかと。職業作曲家になるといろいろなタイプの音楽を作ることになると思うんですが、最初は歌ものはやってなかったんですよね?

神前
『涼宮ハルヒの憂鬱』のときは、最初は劇伴を作ってくれと言われて参加していて、『God knows…』と『恋のミクル伝説』は作品とリンクしているということで僕が作ることになったんですよね

吉田
あのシーンは、みんなが注目していたシーンだと思うでしょ。これで微妙な曲が来たら嫌だなって思っていたと思うんです。そしたらめっちゃいい曲来ちゃたんですよ

神前
ありがとうございます

吉田
そして、ここで見ている人がそろそろ聞きたくてウズウズしていると思うんで、ここでアンケートを取ってみようと思います!

――ここで視聴者アンケート。選択肢は、もじぴったんの「ふたりのもじぴったん」、アイマスの「キラメキラリ」、ハルヒの「God knows…」、らき☆すたの「もってけ!セーラー服ふく」、かんなぎの「motto☆派手にね」、化物語の「staple stable」、WORKING!!の「SOMEONE ELSE」、むろみさんの「七つの海よりキミの海」の8択に。

吉田
ここで1位になった曲は生演奏していただきたいです

神前
はい、わかりました

吉田
これ、全部違うジャンルの曲だと思うんですけど、これはそういう発注が来るんですか?「七つの海よりキミの海」は完全に70年代ソングだと思うんですけど

神前
この曲は大変でしたね。歌を歌っている上坂すみれさん直筆のスケッチブックが何冊か届きまして。こんなイメージでお願いしますって

吉田
そうやって曲を作るのか

――それでは結果発表!

吉田
圧倒的に『God knows…』かな…。あ、でも『staple stable』も多いかな。ということで、生演奏をお願いします!

――『God knows…』のサビ部分をサラっと演奏する神前さん。

神前
弾けてよかった。自分の曲をもう一度弾く機会はあんまりなくて

吉田
この曲は高校生が学園祭で弾く曲だからシンプルにすることを意識したんですか?

神前
そうですね。ギターは長門なのですごい速弾きなんですけど、他はそんなに難しくないようにしました

吉田
今、すっと長門が…とキャラクター名が出てきたんですけど、神前さんは劇伴を担当するアニメをどれぐらい入り込んで見ているんですか?

神前
最近は、アフレコが終わった映像を見て、曲を作ることが多いですね

吉田
え!? それって、遅くないですか!?

神前
絵も声も揃っている状態なので、それが一番マッチしたものが作れるのかなと思って。毎週、映像を見て、作って、音響さんに音楽を送るというやり方をしています

吉田
毎週!?

神前
最初に20曲ぐらい作って、後で追加で20曲ぐらいというのが普通なんですけど、〈物語〉シリーズはなぜか毎週発注、毎週納品なんですよ

吉田
でもそれって監督がすごく信頼してくれているってことですよね

神前
ありがたいことに。もう何度も組んでいるチームなので、だいたい手の内はわかっているということだと思います。今日も帰ってから作らないといけないんですよね

吉田
今、放送中だから

神前
まさにマラソン中です

吉田
このシリーズ、ヒロインに合わせてOP曲が変わっていますけど、これはさすがに先に作っているんですよね

神前
そうですね。だいたい原作を読んで、最初のころは監督からもオーダーが合あったんですけど、4曲目からオーダーがなくなって、いい曲をお願いしますという発注になっちゃいました

吉田
それは困りますね…

神前
悩みますね。キャラが二巡目になってからは特に

吉田
今回もまた全員に曲が付くんですよね?

神前
毎回、ハードルが上がっている感じがします

大元にあるのは“やらかした大学時代”

「やらかしちゃう系大学生は理解できる」と言いながらも、ジャックとは目を合わせません!

吉田
今日、ずっとお話を聞いていて、やっぱりマニアックだった大学時代というのが1つのキーなのかなと思います

神前
そうですね…。やっちゃえ感は、あの辺りが原点かもしれないですね

吉田
そしてそれが今も続いている。でも、今もその気持ちが残っていていいと思うんですけど

神前
と思いつつも、20年ぐらい何をしているんだろ…と思ったりもします(笑)

吉田
自分が作りたいように音楽を作ろうという気はないんですか?

神前
実は、去年あたりから考えていて、今年中はムリかもしれないですけど、仕事で絡んだ声優さんとかに歌を歌ってもらって、僕がトータルプロデュースできたらいいなぁと思っているんですよ。仕事じゃできないことをやりたいです

吉田
それは、裸で歌わせるとか…

神前
僕が裸で録音するとかですかね。電気グルーヴみたいに

――夢が広がったところで、ラジオ版ディレクターの石川さんが登場。石川Dの考察によると神前さんがモーツァルトっぽいのはキャッチーさと多作さではないかとのことでした。「やりたいことを生放送で言っちゃったんで、関係者のみなさん、やらせてあげてください」応援コメントで締めくくり、本日の放送終了です!化物語第2期はキャラホビで絶賛出展中!

今日の一筆

m16_04

恋愛サーキュレーションのワンフレーズ。

-放送まとめ
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