今シーズン、アニヲタに一番刺さっているのではないかと言われている『キルラキル』。初めて見た人は誰しも「何これ!?」とその迫力にびっくりしてしまう画面作りが特徴。今回はその原作者の一人、脚本家の中島かずきさんと、キルラキルの誕生秘話、そして気になるこれからの展開に迫ります!
ゲストProfile
中島かずき(なかしまかずき)劇作家、脚本家、編集者。人気劇団『劇団☆新感線』の座付き作家でありながら、2010年までは双葉社で編集者として働き兼業していた経歴を持つ。現在は編集者を辞め、アニメ・ドラマの脚本家としても活躍中。
「普通の紳士」中島さん登場
今回のキルラキルやグレン(※1)で中島さんの作風や名前は知っているけど、お顔は拝見したことがないっていう人は、今日車田正美先生(※2)みたいな人が来ると思っていたんじゃないでしょうか。でも実際は全く逆というか…
一同笑
一見「普通の紳士」の中島さん
——キルラキルに対する反響と、グレンラガンの時との情報共有のスピードの変化についての話に始まり、まずはVTRで中島さんをご紹介。続いてグレンラガンのVTR見て、思い出話から新作キルラキルのお話へ…
(アンチスパイラル※3の登場シーンを見て)この絵はいつ見ても笑えますね。今石さんのコンテって予測不可能なんです。だって、アンチスパイラルが宇宙空間からあんな風に出てくるなんて、馬鹿にしてるのかって(笑)
一同笑
今回のキルラキル、みんなが期待しているところを超えるのは大変だったかと思うのですが、全然超えてますね。ここまでやるんだ!って
見てる側からすると、最初っからこんなにヤマがあっていいのかって思っちゃうんですが…
いやー…、実はね、1話のコンテ見たきた時に「こんなに薄くていいのか?」って話をしてたんですよね
アニメを見たときには濃くなってたんだけど、そうなると最後のほうって僕らでもどうなるか分からないところがあるんだよね
(キルラキル予告PVを見ながら)1話を見る前に、このPVを見てて、1話ずつキャラクターが出てきて、これで3〜4話までいくのかなって思ってたんですけど、これ全部1話で出てきてますよね
はい。そういう意味では予想より早い展開が次々に起こっていくと思います。今回、キャスティングがいいんですよね。1話目の岩田さん(※4)も笑ったけどね(笑)
なんていうか、役者さんの演技にケレンミがありますよね
何言ってるか分かんないけど、気持ちは伝わるっていう(笑)それってすごく、初期の新感線なんですよね。何言ってるか分かんないんだけど、テンションとスピードがあったからなんか気持ちが伝わった、ってよくあったんですよね
じゃあキルラキルも、分からなくても「いいじゃんおもしろいから!」って引っ張っていく勢いがある作品になりそうですね
【編集注】
※ 1 『天元突破グレンラガン』2007年春から2クールにわたってテレビシリーズが放送され、2009年には2本の劇場版が上映された超人気作。今石洋之監督、GAINAX制作。主人公の少年シモンの成長と、運命との戦いをテーマにしている。地下深くの世界から始まって、最後には宇宙の防衛をかけた壮大な戦いへと発展していく。人気アニメーターが多数参加、超絶作画シーンも多数あり、作画マニアからの人気も高い作品。
※ 2 『聖闘士星矢』作者。破天荒で熱い作風が特徴。他に『リングにかけろ』などの代表作がある。
※ 3 『天元突破グレンラガン』に登場するキャラクターで、本作のラスボス的存在。反螺旋族で別宇宙からの侵略者とされていたが、実は最も進化した螺旋族(人間)であった。
グレンの舞台裏
グレンラガンの時はね、初めてのアニメでGAINAX(※5)っていうこともあって、少し遠慮してた部分があったんですよね。偉い人いっぱいいるし(笑)で、今回は最初から、これはもう好きに書くよって話をしてたんですよ。もちろん今石さんの注文を受けての話だけど、やっぱり会話は非常にクセの強いものになっていますね
自分たちが本当におもしろいと思っていることを真っ向からやっていこうという感じですね。今石さんとももう三回目で、お互い分かっていますから、その上で二人がこれはもう間違いなくおもしろいと思うものをやろうと
ということは今回の作品、今石監督とのコンビということが重要な要素だと思うんですけど、そもそも直接アニメとは繋がりがなかったんですよね?それがどういうきっかけで今石さんと出会って、グレンラガンという作品を作ることになったのでしょう?
やっぱり「Re:キューティーハニー」(※4)ですよね。庵野秀明さんがキューティーハニーの実写映画を作ったのと合わせて、アニメシリーズも作ろうという企画だったんです。で、そのシリーズの1話のコンテと演出が今石さんだったんです。そこで初めて仕事でお会いして、すごくおもしろいものが出来上がったんです。それで、また仕事やる時は一緒にやりましょうねって
その「またやる時」っていうのが、グレンラガンだったんですね
はい。今石さんがアニメの監督をやるんで(脚本)やってくれませんか?って話が新感線の事務所に来たときに…。たまたまその時一つ仕事が飛んで、半年くらい仕事が空いてたんですね。それで、じゃあできますねって話になって…
じゃあ逆に、別の仕事で埋まってたらグレンラガンは生まれなかった…
へーー!!そのお仕事を受けた時って、まだアニメシリーズ丸々一本脚本を書いたことはなかったんですよね。それでちょっと遠慮があったとおっしゃっていましたが…
そうですね。やっぱり(仕事は)キャッチボールだなと思ってますし、こう見えて編集者上がりなのでバランスはとるんですよ(笑)今石さんがやりたいものをどう引き出すか、どう作り上げるかっていう仕事だなと思っていたところはあったので。今石さんにどういうことがやりたいか聞いて…
一同笑
(穴を開けるドリルに)そんなにバリエーションねぇなぁって思って(笑)どーしよーと思って思った時に、でも待てよ、ドリルっていうのは螺旋だな。螺旋ってことはDNAと宇宙の螺旋だから、これで宇宙と進化の話ができるなって「螺旋力だ!」って思いついて
っていうことでやり始めたんですね。それで「螺旋力」ということで一人の少年の成長と、宇宙の進化・生命の進化の話をシンクロしてやりましょうっていうアイディアを出したんですね
さっきのVTRにも入ってましたけど、最終話のところで、びっくりしたのがアンチスパイラルがピーって宇宙空間を切って中から出てくるシーン。脚本の段階ではそういうイメージがあったわけじゃないんですよね
忘れちゃったなぁ…でもやっぱりなんとなく「現れる」でしょうね。そんなに具体的には書かないんで…
作ってる人達同士がにやにやしながら作ってるのが目に浮かぶようですね。それは楽しいですよね
【編集注】
※ 4 GAINAX制作のOVAで、庵野秀明監督の実写版キューティーハニーのスピンオフ作品。全3巻。
グレンラガンとキルラキル
この作品の世界観って、どう見ても戦後ですよね?(笑)そういうのがやりたかったんですか?
うーん、そうだね…これやる前に、今石さんに渡した資料っていうのが70年代、60年代の漫画だったりしたし…
え、そうなんですか!?でも、確かに今回「すがやみつる(※5)さんか!」みたいなキャラクターが次々に出てきてますよね。手塚治虫次世代の人たちが描いた有名な同人誌で『墨汁一滴』というのがあるんですけど、キルラキルの絵ってそれにすごく似ているんですよね
今石さんには永井さんの『あばしり一家』(※6)や『男組』だとか、大島やすいちさんの『おれが大将』とかを読んでもらって、「前提として、こういうものを読んできた僕が書くものですから理解してくださいね」という話はしてたんですね
なるほど!では、今回は中島さんがやりたいもの、という色が強い作品になっているんでしょうか?
いやいや、二人で話をしていてそこから『さそり(※7)』みたいなものとかね。梶芽衣子(※8)さんフレーバーを…
梶芽衣子さんフレーバー!!(笑)でも、いわれてみると確かに。そんな濃い世界観は、自分たちがやりたいものをやってきた、ということが最大の理由なんでしょうか
自分たちが面白いと思うものをド直球で投げようよっていうことですよね。そうしようと思った理由は、最初、次の作品は少年の成長物語というすごく真っ当なテーマでもって上手くいったグレンラガンを、テーマ的にもエンタテイメント的にも越えるものでないといけないと考えていて。で、企画が煮詰まったんですね。途中でそれに気がついた。だいたいそういう風に、概念的に前作を越えようとしたときは失敗するんですね。つまり、前の作品がテーマ的にも表現的にも上手くいったと。じゃあ今度はあれよりも深いテーマで、もっと尖った表現で作品を作らなければいけないって思ったりすると、おおむね頭でっかちな話になって、パッションが減っちゃうんですよね。その結果として、なんとなく気持ちは分かるんだけど、袋小路に入ってしまったような作品になりがちなんです。きっと、ジャンプでヒットを飛ばした人の二作目の作品を考えてもらえば、分かりやすいと思います
うわー、すごい具体的(笑)でも、その通りな気がします
で、自分たちがその迷路に入りそうになったので、それはやめようと。じゃなくて、今自分たちが「うひゃひゃひゃひゃ」って言いながら楽しんで作れるものにしようよって。そして、それは女子高生のバトルで、セーラー服が能力を持ってて、ガチンコでやる80年代のバトル漫画だと
失礼ですけど、中学生のお昼休みみたいな会話ですね。それをお金をもらってやっている中島さんは、さしずめプロ中学生というわけですね
一同笑
よく「中二病」って言われるじゃないですか。恥ずかしいこともあるんだけど、大先輩の小池一夫さん(※9)が「表現者は中二病であることを誇りに思え、中二病でないと良いものは作れない」とおっしゃってて、「やったー!」って(笑)
「表現者は中二病でもいいんです!」と中島さん。
中島さんがお若い理由は、どんどん中二経験値が上がっていってるからなんです
なるほど。そういわれてみると、俺が中学生の時まで見ていたものを凝縮したのがキルラキルなのかもしれないですね
——キルラキルが狙っているところとは?
うーん、狙ってるというより、今まで色々仕事をやってきて感覚的に分かっているのは、やっぱり自分が絶対におもしろいと思うものを本気で作ることでしか、お客様に届けることはできないと。自分にはそういうものしかないと思っているんですね。だから今石さんともキルラキルを作りながら、発表前の一番不安になる頃「俺たちは本当におもしろいんだけど、俺たちだけがおもしろいと思ってるんじゃないかって不安になるよね」みたいな話をしました
確かに僕らも企画会議とかで、そういうことがあります。それが分かるタイミングっていうのはどのへんにあるんですか?
え、待って下さい。脚本家、編集者、作家として何百回と作ったものを世に出している中島さんでも分からないんですか?
うん。自分がおもしろいと思ったものを、お客さんもおもしろいと言ってくれることを信じるしかないんです。自分はもうそういう作り方しかしていないから、そこでやるしかないんだ。だから、よくトリガー(※10)のスタッフの人達と「もう引き返せないですからね」って言ってるんですよね
一同笑
でも、「普通それはダメな時に使うでしょう?」って。それがみんな、今の僕みたいな顔して言うんですよね
うん。だからそういうところでやりきるしかないんだなって
言い方が悪いかもしれませんが、これって付き合いきれないっていう人もいらっしゃるんでしょうね
もちろんいると思いますよ。僕は新感線の時からずっと、好きな人は好きだけど、嫌いな人は嫌いだったわけですから。いつだってそうだったんですよ。そして、その熱さだけが僕らの届けられるもので、そういうものが自分たちの作るエンタテイメントだと思っているんで。難しい時期もあったけど、それを信じてやってきました
今回のキルラキルのおもしろさに関しては、自分たちでもう間違いないと?
そうですね。その上に今石さんが「ホン(脚本)でここまできてるんだったら、コンテで負けられない」っていう勝負になってます。しかも今回はその上に声ですね。1話目で、稲田さん(※11)と岩田さん(※12)の声を聞いた時に、袋田隆治がああいうアプローチでくるとは思っていなかったんで
え、そうなんですか?それを期待しての、あのお二人じゃなかったんですか?
今石さんはある程度計算してたかもしれないけど、僕は岩田さんがあそこまでやってくれると思わなくて、ずっとゲラゲラ笑ってました。もちろん稲田さんも期待してやってましたけど、二人とも思っている倍くらいのテンションでこられたんで
岩田さんとか、直接お会いして「中二だな、この人」なんて思っていたんですが、オトナ中二の人達がキャストの方にもいらっしゃるんですね
そういうことですよね。だから岩田さんがある意味、このキルラキル第1話のテンションを作ったというところはありますよね
きっとそれが全体のテンションになるんでしょうね。いわゆる作品のトーン&マナーみたいな
一同笑
人の名前が単位になっていくんですね(笑)ヘクトパスカルみたいな感じで
——キルラキルの濃い演出についてのお話に…
脚本からアニメーションに出来上がってみたらやっぱり濃かったっていうのは、具体的にどこですか?
やっぱり絵作りとか演出とかですね。カメラがあれだけ動くとか、冒頭のアクションとか。僕はもうちょっと普通な校舎で普通に下りるところを書いてたんだけど、笑いながら校舎の外を「わははは〜わははは〜」って(※13)下りていくとかは書いていなかったんで
っていうかもう、やってくるなってね。すっごいよ、この後
一同笑
言えないけど、コンテレベルでもうめちゃくちゃな人達が出てきてます
それは大丈夫だと思いますよ。不安を超えていくと思います。少なくとも僕はそう思っています。ていうか、僕達がそうだったんですよ。つまり、前回より今回のほうがおもしろい、今回より次のほうがおもしろいって毎回シナ打ち(※14)で言ってましたから
【編集注】
※ 5 『仮面ライダー(原作:石ノ森章太郎)、『ゲームセンターあらし』などを代表作に持つ漫画家・漫画原作者・小説家。『ゲームセンターあらし』がアーケードゲームでの対決をテーマにしていながら、高速でコントロールスティックを操作する「炎のコマ」、静電気でゲーム機の電子回路に干渉する『エレクトリック・サンダー』など、破天荒な必殺技が多数登場する。
※ 6 1969〜73年まで少年チャンピオンで連載されていた永井豪の作品。家族全員が犯罪者という亜馬尻(あばしり)一家を主人公に繰り広げられるギャグ・アクション漫画。2009年には映画化もされている。
※ 7 梶芽衣子主演の映画シリーズ。恋人に裏切られ、冤罪で刑務所に収監された主人公・松島ナミ(さそり)の復讐劇を描く。暴力・陵辱など過激な表現が多く見られる。
※ 8 1965年デビューの女優。デビュー当初はアイドルとして売り出され、あまり人気が出ないながら、69年に「残酷おんな私刑」で映画主演を果たす。代表作は『野良猫ロック』『女囚さそり』『修羅雪姫』など。
※ 9 『子連れ狼』『修羅雪姫』原作などが代表作。インパクトのあるキャラクター造型が特徴。アナーキーな時代劇を多数生み出し、ジョン・ウーやクエンティン・タランティーノなど海外ファンも多い。
※ 10 2011年に設立されたアニメスタジオ。元GAINAXの大塚雅彦、今石洋之、舛本和也らが設立メンバー。設立当初はグロス請けを行っていたが、2013年キルラキルでテレビシリーズ初の元請け制作を行う。
※ 11 キルラキルで風紀委員長蟇郡苛を演じる声優。『スーパーロボット大戦』のレーツェル・ファインシュメッカー、特捜戦隊デカレンジャーのドギー・クルーガーなどが代表的なキャラクター。
※ 12 キルラキルでボクシング部部長袋田隆治を演じる声優。『AKIRA』の金田、『灼眼のシャナ』のマルコシアスなどが代表的なキャラクター。
※ 13 風紀部委員長蟇郡苛が校則違反者を取り締まる際に、「わはははは〜」と高笑いしながら、窓の外を落下していく衝撃的なシーン。
※ 14 シナリオ打ち合わせのこと。
囓る文化
1話でレモンをかじったあとに、キスの味の話を始めるシーンがあるじゃないですか?よくよく考えるとレモンを持ってる女の子ともめて、キスの話で揶揄されるというのは構造としてよく分かる。でもレモンを持っている女の子が街を行くシーン自体が浮かばないわけですよ
それね、今石さんからも言われたな。でも僕らの時代はわりとそういうのあったし…
だってレモンっていうのは、昔は青春の象徴だったんです!
一同爆笑
梶井基次郎(※15)の昔から、レモンといえば青春なんですよ
すごい!キルラキルから梶井基次郎に!(笑)じゃあ、レモンを持っていることには別に理由はないんですね。そういうビジョンが浮かぶっていうのは…
かじるとすればレモンだろっていう話だろって。それに、主人公が出てきたら街でものを買って、それをかじりながら歩くっていうのが、俺の中にそういうものとしてあるんですよ。これはある時期の定型だと思うんですね。昔のの雑誌の写真付き小説で、若い頃の森田健作が探偵役をやってるんだけど、謎を解く前にコーヒー豆をかじるんだよ?そしてかざま鋭二さんが描いた、「海商王」という漫画では主人公は生ニンニクをかじるんだよ。そうやって脈々とかじる文化があるんです!
一同爆笑
そして今、そのかじる文化を捨ててしまっているのはおかしいと
【編集注】
※15 1900年代前半に活動していた小説家。代表作は『檸檬』『櫻の樹の下には』など。分類が難しいとされる独自の小説は、様々な世代・個性の作家を魅了している。
人が見たいものとは
そもそも中島さんは、人が見たいと思うものってどんなものだと考えていますか?
でもそれはやっぱりずっと昔から「俺が見たいもの」なんですよ。自分が見たいものを一生懸命作った結果として、自分と同じようなものを喜ぶ人がいっぱいいればいいなと。子どもの時から見たかったものを作れる立場になれたので、それを一生懸命作るしかないと思っています
——ここでチャイムの音が。そして番組で制作中のアニメプロジェクト進行状況報告のVTRへ。まだ絵が出来ていない状態で、音声だけ取り終えたというのですが、大丈夫なんでしょうか? 音声にどんなアニメをつけるかは現在会議中。本当におもしろいものが出来るのか不安になった時の対処法を尋ねる吉田に、中島さんは「少なくとも自分が楽しめれば、その作品にはファンが一人いることになりますから」と励ましの言葉を送ったかと思いきや「でも、世の中には独りよがりっていう言葉もありますからね」と笑顔でグサリ。
はい。「信じた道を行く 人の言葉に耳は貸さない」です。以前に書いた芝居のキャラクターの台詞なんですけどね。多分、キルラキルはこういうことなんだろうなと
ーー最後まで中島さんらしい名言で締めくくってくれました。これからますます、キルラキルと中島さんから目が離せません!
今日の一筆

「人の話は聞くな」中島さんらしい言葉です。
吉田さんと話すのが楽しくて、もうあっという間に時間がたっていまいました。
今回のキルラキルはグレンラガンの時と違って、フリーランスとしてやっているので、今石監督とより濃密なキャッチボールをする時間があるのが嬉しいですね。満艦飾マコを始めとした、今の段階でいかにも頭のネジが外れていそうなキャラクターはもちろん、どんどん独自の動きを見せていってくれる四天王達にもぜひ注目して下さい。これから公開される3話では、流子と皐月のガチバトルが見られるなど、皆さんが思っているより速いスピードでどんどんどんどんストーリーが展開していく予定です。そして最後はもう予想が付かないところまで、皆さんを連れていければいいなと思っています。
中島さんのような大人がいてくれるっていうのは、下の世代にとって本当にいいことですよね。色んなタイプのクリエイターさんがいますけど、人当たりがいい人ほど作ってるものがヤバイというのが、今の時代だと思うんです。それってつまり、やりたいことのためなら、いくらでも腰が低くなれるということなんですね。デキる人ほど腰が低いということを改めて思い知らされました。今日のお話で一番印象に残ったのは「人の話を聞くな」ということでしたね。あとは、あれだけヒットを飛ばしている中島さんでも(作品を)出してみないと分からないんだ、ということでした。自分だけでも楽しいと思うものを作れっていうのは本当に良いお話だったと思います。