吉田がキャラホビで企んでる

”今、自分がいちばん見たい番組みてキャラホビを目指す”というコンセプトのもとに吉田が話題のアニメに物申す!

放送まとめ

吉田がキャラホビで企んでる第4回「読者を喜ばせるようなことはしません!」

投稿日:2016年5月7日 更新日:

「巨人が他人とは思えない」という吉田さんの感想から始まった今週のネタは、原作累計発行部数1500万部を超え(番組収録当時)、今や社会現象にまで発展した『進撃の巨人』。 今回は原作者、諫山創さんがゲストです。キャラホビ会場のボルテージが一気に高まる中、襖の奥から現れたのは…超大型巨人!? いや、超大型巨人のマスクをかぶった諫山先生。無言で頭を下げる超大型巨人に向かって、吉田さんは「まさかしゃべっちゃいけないタイプのゲストじゃないですよね…?」と声を震わせる。そして巨人は特にタメもなく、マスクをテイクオフ…するとイケメンな素顔がテンション低く登場。「やっていることは出落ちの芸人さん並みですが、中の人は引きこもりタイプの人ですよね」と吉田さんのツッコミ紹介から、本日のトークスタート――。

ゲストProfile

 
諫山創(いさやまはじめ)。漫画家。「進撃の巨人」でデビュー。大分県日田市の出身で、「進撃の巨人」に出てくる壁に囲まれている都市は、壁のような山に囲まれた故郷からイメージしているそう。重度のももクロファンとしても有名。

ミカサは僕の萌えの集大成

――実は、諫山氏と吉田氏はこれまで何度も対談を交わしている仲だとか。だが、その内容はほぼ『進撃の巨人』とは無関係だそうで…。

諫山
“ももクロどうですか?”と、いつも僕が聞きたがっちゃって

吉田
じゃあ、こっから1時間、ももクロで

諫山
杏果選手はアスリートですよ。格闘技で例えると、やっぱりレスリングと寝技を主体とした選手ですよね。アンソニー・ペティスみたいな。惹かれた理由は、特に容姿とかじゃないんです。不器用な部分があるからですかね。他の選手はやっぱり器用じゃないですか

吉田
メンバーのこと、必ず選手って言うんですね

諫山
いや、今日初めて言いましたけれども。杏果選手は、ケナゲ感が、ここ最近ちょっといいですよね。誰かが言っていましたが、アイドルっていうのは完成度のほつれであると。そのほつれ具合が…

――ここでついにスタッフから「巨人の話しない?」というカンペが差し込まれる。

諫山
いや、僕らは今、ももクロという“小さな巨人”の話をしてるんで

――ももクロトークが一段落したところで、本題の「進撃の巨人」の話に。解説映像が流れるなか、「ミカサは僕の萌の集大成です」と、貴重な情報をつぶやいた諫山さん。

吉田
なかなか聞けない情報が飛び出しましたけれども

諫山
ミカサは、今までいろいろ萌とかエロゲーとかを勉強してきた中で生まれたキャラなんです。例えばキャラクターを戦艦の名前にしたら売れるらしい、っていう情報を聞いたんですが、“ミカサ”というのは、日露戦争当時、バルチック艦隊に立ち向かったときに、東郷平八郎が乗って先頭を走っていた艦隊の名前。そっからです

吉田
そうなんですか!? これ、今までどっかで話されてます!?

諫山
なかった…と思います

吉田
もともと戦艦萌なんですか?

諫山
もともとは第二次世界大戦から入っていまして。…男はだいたい3つのうちのひとつ…三国志か新撰組か第二次世界大戦のどれかに詳しいっていう

吉田
その中で第二次世界大戦?

諫山
楽しんじゃいけないっていう感じはもちろんあるんですけど…

吉田
男子は3つのもののどれかにハマる…、でも、これって明らかにモテない男子の理論なんですよね

諫山
あ…。そうですよね。そういう人たちしか会ったことないんで(苦笑)

――諫山さんの交友関係が少し見えたところで、吉田さんが内容に切り込む。

吉田
『進撃の巨人』って、僕は社会批判でできているのかと思っていたんですよ

諫山
『惡の華』(※1)の押見(修造)さんも師匠だっておっしゃっている、映画評論家の町山智浩(※2)さんっていう方がいるんですけど。町山さんの話から勉強したことで、“ファンタジーを描くときでも、まったく関係ない話よりは、何か現実と接点がある方がいい。その方が入ってくる”。そういうのがテクニックとしてあると聞いたので、1話描く時は思いっきり意識していましたね。(町山さんがラジオでしていた)『ダークナイト』の話の中で、“家畜の幸せか、オオカミの自由か”、という話をしていたのを聞いて。その時の町山さんのセリフを、そのまま言わせたりとかしています

――同じ言葉が使われている主題歌について、「Linked Horizonさんには伝えているんですか?」と聞いたところ、「歌詞については…あんまり覚えてないんですが、僕も書いてください、みたいなことを言われて…。心が病んでる人みたいなのができちゃって…」と言葉を濁す諫山さん。それを最終的に「荒木監督とRevoさんが起こしてくれた」のだとか。

吉田
今日、個人的に一番聞きたかったことなんですが、僕が『進撃』に関して思うのは、読む価値のあるフィクションっていうのは、どんなものなのだと思ってるのかな、というのがあって

諫山
テーマみたいな?

吉田
でもテーマって必要ですか?って思います。いろんなアニメとかマンガとか見ていて。テーマというか、意味ですね

諫山
逆に、テーマのない作品の象徴というのがポルノだと思うんですけど。直接的な快楽。その逆が、『惡の華』の春日くんが好きなものに代表されるような、文学的価値みたいな方向だと思うんですけど。ポルノは瞬間的に商品価値が得られる。文学は最初入りにくいですけど、持続的に考えることができる、コンテンツを楽しむことができる。そういう意味でコストパフォーマンスが高いな、と。そういう商業的な見方で申し訳ないんですが(苦笑)

吉田
『惡の華』の話がよく出てきますね。先生、すごい好きなんですか?

諫山
よく見てますね?。ロトスコープ(※3)は俺、大好きですよ

吉田
でもあれは『進撃の巨人』じゃできないですよ。あのサイズの人とかいないですし

【編集注】
※1 押見修造による青春マンガ。ボードレールを愛する少年・春日を主人公に、思春期のダークサイドを描く。『進撃の巨人』と同じ「別冊少年マガジン」にて連載中。2013年4月よりアニメ化。下記の※3で説明する“ロトスコープ”という手法によって撮影され、その大胆かつ斬新な映像が話題を呼んだ。

※2 映画評論家、コラムニスト。宝島社の『映画秘宝』創始者。膨大な知識に裏打ちされた歯に衣着せぬ辛口批評で多くのコアなファンを持つ。現在は米国に在住し、雑誌、週刊誌に寄稿。また、ラジオ、TV出演など、多くのメディアで活躍。

※3 実写で人物の動きを撮影した映像を、アニメにトレースする手法。実写特有のリアルな動きや構図がアニメーションとなることで、独特の映像表現となる。

荒木哲郎監督とは、共通点が深い

アニメ『進撃の巨人』第1弾PVを見ながら
――内容てんこ盛りのトークは、ここから後半戦に突入。話題は、『進撃』の残酷描写へ。巨人が人間を食べる残酷なシーンでも、そんな巨人も人間も、どこか笑える要素がある、と語る吉田氏に、諫山氏は、「これは残酷なシーンですとか、これは笑えるシーンですとか、明確にはしないようにしている」と明かす。

吉田
『進撃』の“ルール”とは?

諫山
人を喜ばせない…じゃないですけど…

吉田
僕の仮説なんですけど、サプライズなんじゃないかと

諫山
あ、それはありますね。裏切りじゃないけど、傷つけたいとかいやな思いをさせたいというのはあります

吉田
いやな思いもサービスですよね

諫山
僕が一番最初にいやな思いをしたのは、『地獄先生ぬ?べ?』(※4)で、人食いモナリザの回というのがあって、あれがほとんど巨人の原点なんです。連載3年目でやっと思い出したくらい心の奥底にあったんですが、子供ながらに、「なんてことしてくれるんだ、トイレいけないじゃないか」って思ったんですよね。言葉では説明できないんですけど、人を同じ目に合わせてやりたいというのがありますね。なぜなら記憶に残るから…ですかね。『ぬ?べ?』は死ぬまで忘れられないっていうのがあるんで

吉田
『進撃の巨人』があることで、この世に諫山創がいたってことを覚えておいてもらう、という?

諫山
どんな形でも人の記憶に残ることはできないかと。その結果がほとんど今の感じだと思います

吉田
荒木哲郎監督(※5)も、笑えるとか、怖いの向うにいこうっていう人ですよね

諫山
『DEATH NOTE』(※)のOPもそうですし、『進撃』のOPも、例えば全員ピョーンみたいなシーンなんかを見ていて思うんですが、監督の感覚は僕とすごい近い部分があるんですよね。どう見られたいのか、見方を定めないっていうところで共通点は深いと思いますね

吉田
どっちだかわからないものを、アニメだとどっちかにきれいに色分けしてしまう方法があるんですよね。僕はこれ、梶浦由記(※6)さんに聞いたんですが。それは、音楽

諫山
あ、僕もそれかなと思いました

吉田
でもこの『進撃』のアニメのすごいとこって、笑いの方にも残酷な方にも振り切らないんですよね。音楽ついてんのに。それって意図として伝えたんですか?

諫山
いや、その話はたぶんしてなかったと思いますね?

吉田
今、原作者として見てて、意図として、原作から外しちゃってるぞっていうところって、全然ない?

諫山
(考え込んで)…そうですね。ほぼ、はい。そうだと思います

吉田
それって、超奇跡的なことじゃないですか?

諫山
そうですね?。もう…どんだけ恵まれてるんだっていうことですね?

連載当初は打ち切りになると思っていた

吉田氏が諫山氏にお茶を振舞う場面も。ユルいこの番組ならでは。
――さらに話題はマンガ連載当初の話へ。

吉田
今はもう結果出てるじゃないですか。作品として売れている。でもそういうのがない初期段階って、それを押し通すってどうやっていたんですか?

諫山
僕は、打ち切りになると完全に思っていたんで。じゃあどうすべきか。仲間がいてキャラクターがいて…みたいなところはやっている場合じゃない、とにかく見せ場だけを1巻のうちにガーっと詰めようと。1巻の売り上げ次第で、打ち切りかどうかが決まるんで。とにかくここだと。1巻の中にどんだけ内容詰めるか。まあ、いろんな汚い手もいろいろ使いまして

吉田
え…どんな?

諫山
連載会議があるんですが、それに出したときは、1巻でいう3話と4話の話だったんですよ

吉田
えっ? 1話2話じゃないんですか!?

諫山
1話の説明部分とか。起承転結の“起”の部分はどうしてもセリフ多い感じになっちゃうんですけど。それを省いて、巨人が人を食って、最後主人公も食べられちゃうというのだけを会議の場に出して。1、2話の話は、1コマくらいの回想で済ませちゃってたんですよ。昔お母さんが食べられて、みたいな。会議に通った後に、それを2話にかけて90ページくらいで勝手に書いて。もう連載会議は通ったから、勝手に通ってないネームを1話2話にしちゃったっていう

吉田
…ってことは、編集会議でみんなが意図していたものと、実際に出てきた『進撃』の第1回は違ったてことですよね?

諫山
なんか別のもん書いてる、みたいな(笑)

吉田
それは…編集部のみなさんの反応はどんな感じだったんですか?

諫山
僕は、担当さんと、担当さんから聞いた編集長の反応しか知らないんですけど、僕も担当さんに相談せずにいきなりネーム書いて持ってっちゃって、こっち書きたいんですけど、と。ほとんど衝動的に、一気に書き上げちゃったんです。もう次の打ち合わせの前にモノがあるっていう感じ。(担当さんは)“うーんまあいいんじゃない”みたいな。“編集長もいいんじゃないって言ってたよ”、みたいな感じだったと思います

吉田
で、それで1巻描いてみて納得が?

諫山
でも僕は今でも1巻は読めないですね。もうわかんないっていうか。もう内容が全然頭に入ってこないところがあるんで。なので、これが大丈夫だっていうのが、日本のマンガ大国の土壌のすごさですよね。かなり能動的に自分の頭で解釈しないと見られないと思うんで。いやすごい国だと思います

吉田
読んでくれる人のすごさですか

諫山
それはありますね。そんなすごいとは正直思ってなかったんで、打ち切りだと思っていました

吉田
でもそれだけやるときの覚悟としては、もうこの作品とある意味心中ですよね

諫山
そうですね。まあ、30歳までバイトやって、実家の大分に帰る感じかなーっていう確率が高いと思っていたんで。やっぱ宝くじ感覚ですかね。もともとやっぱりどっかマンガ家になれるわけないしっていう感じはありました。自己評価の低さっていうか…

――それだけ人生をかけていた作品。この衝撃的な設定はどこから生まれたのかと聞くと、諫山さんの口から意外な作品の名前が。

諫山
僕がこれを書こうと思ったのは、『マブラヴ オルタネイティブ(※7)』っていう名作がありまして。それをやんなかったら、この話はできていないですね

吉田
『マブラヴ』っていうのは、エロゲ―だったんですけど、いつの間にか大真面目な宇宙から飛来してくる生物との戦いになるんですよね

諫山
追い詰められ方ですね。ユーラシア大陸全土が宇宙人領になっていて、日本が最前線で、人類がすげー死んで…っていう追い詰められ度に、シビれまして。また、(手で人を頭から食べるジェスチャーをしながら)“パクリ”っていう有名なシーンがあるんですけど、それがとんでもないトラウマになりまして。それを次の誰かに味あわせたいっていう

吉田
じゃあ、(連載作品を何にするか)比較検討はしなかった…?

諫山
いや、実は正直、僕はこれ以外の話ばっかり考えていました。担当さんが連載会議に出すとき、最初に持ち込みに来た『進撃』の話を連載用に考えてみないかって言われて初めて考えました

吉田
へー!!

――ここでタイムアップに…。吉田さんはまだ話し足りなそう。最初にももクロの話を入れたせいじゃ…とスタッフ全員が持っていたところ、「次回のブッキングをしないと終われないという感じになってしまいましたが。先生、正直お忙しいですよね」と前回に引き続き勝手にブッキングを始める吉田さん。

諫山
月に1週間くらいニートをやってます

吉田
その間は何をやってるんですか?

諫山
あーまあ、自宅を護ったりー…ですね。ケータイゲームをずっとやってたり

――諫山氏は来たときと同様、律儀に超大型巨人の仮面を再び装着。襖をくぐり、お辞儀を繰り返しながらフェードアウトしていく……。

吉田
アレ着けないとあそこ通れない人、とかじゃないですよね…?

今日の一筆

m4-5

諫山
なんかここでやんなきゃな、って強迫観念からなんですが…

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